ハーブコラム
「フェンネル」の結実
甘くスパイシーな香りが印象的なセリ科の「フェンネル」。
季節は移ろい、
少しずつ心地よい風に誘われる秋に向かいます。
我が家の庭の片隅で根を張る
「スイートフェンネル」。
毎年夏の終わりには
黄色い小さなお花をつけた後、
ぷっくりとした愛らしい果実をつけます。
フェンネルの主な種類には
茎が背丈ほど成長する「スイートフェンネル」と
白くぷっくりした根元をもつ
「フローレンスフェンネル」があります。
古代ギリシャローマ時代から、
食材や薬草として長く愛されてきました。
食材としては、
葉も種子もどちらも使えるのが特徴。
茎や葉にも香り成分が含まれているので、
全て食べることができる、
捨てる部分がほとんどない、
利用価値の高いハーブ。
生の葉は、
シーフード料理やスープ
カルパッチョに。
生の種子は
魚介類のマリネ液へ入れて臭みけしに
ザワークラフトに。
サラダへ香りのアクセントとして散らしても。
フローレンス種は、
イタリアン野菜として
歯ごたえと甘みが楽しまれます。
薬用として利用されてきたのは
「フェンネルシード」と呼ばれる種子の部分。
「フェンネル」は、古代ギリシャでは
「marathron」と呼ばれ
この名は「maraino(細くなる)」
という意味に由来していると伝わります。
腸内にたまったガスをスッキリ。
消化を助けてお腹の調子を整え、
空腹感をおさえる「フェンネル」は、
長い間、食欲を抑制するハーブとしても
使われてきました。
果実はそのままかじることもでき、
爽やかな風味でお口スッキリ。
ニンニク料理を食べた後の
口臭予防にも使えます。
ブレンドハーブティーでは、
カモミールと合わせると美味しい。
甘く飲みやすくなるだけでなく、
風のひきはじめに飲む
セルフケアティーとしても〇。
小さな秋の実り。
しばらくフレッシュの
「フェンネルシード」の収穫を
楽しみたいと思います。